マチを歩くように回復していく-桜十字八代リハビリテーション病院

桜十字グループでは、「生きるを満たす。」という考えや「WELL-BEING FRONTIER」というビジョンのもと、医療空間そのものの在り方にも向き合っています。その一環として、小山薫堂氏のアイデアをもとに、それぞれの施設が持つ想いや土地の記憶を空間デザインへと落とし込んできました。


今回ご紹介するのは、熊本県八代市にある「桜十字八代リハビリテーション病院」です。


熊本県八代市の大規模なアーケード商店街に直結する。
桜十字八代リハビリテーション病院は、そんなかつてない「マチと一体化した」驚きと活気に満ちた空間です。

コンセプトは「ヒトとマチを元気に」。モノやスキルをシェアする現代において、医療の知恵や地域の活気、さらにはヒトを前向きにする想いやエネルギーを互いにわけあう場所として定義されています。ここで過ごすことで力を得て、マチと共に健やかになっていく。そのような体験が出来る空間を目指しました。

人々の縁をつなぎ、地域と病院が自然に交わる仕掛け。なかでも目を引くのは、国産い草のシェア8割以上を誇る「畳のふるさと・八代」のアイデンティティが息づく畳ラウンジです。熊本名産である小国杉の縁側に腰掛けると、ふわりと広がるい草の香りが、訪れる人の心を優しく解きほぐしていきます。

地域に開かれた一階のパブリックスペースは、誰もがふらりと立ち寄り、それぞれの時間を過ごせるマチの憩いの場。ガラス張りの窓辺に設けられた「シェアライブラリー」で、誰かが選んだお気に入りの本に手を伸ばす。あるいは、小国杉の温もりに包まれた「Filcafe(フィルカフェ)」で、美味しいコーヒーを片手に誰かを想い、静かに手紙をしたためる――。

それぞれの想いが重なり合う、優しい時間がここに流れています。

そして、この温かな日常にさらなる活力を吹き込むのが、院内のサテライトスタジオから響くラジオの生放送です。エフエムやつしろとタッグを組んだ番組、桜十字ラジオ「聴くくすり」。畳とちゃぶ台のある親しみやすいスタジオから発信されるのは、リクエスト曲にのせた地域の人々の何気ないストーリーや、医師による健康の知恵です。

ここで紡がれる声が、カフェやライブラリーで過ごす人々を有機的につなぎ、電波に乗ってマチへと元気を広げていきます。

それは、単なる身体の回復だけでなく、再び自分らしく、大好きなマチで「人間らしく生きる権利」を取り戻していくリハビリテーションの在り方そのものです。治療を受けるためだけの場所から、ヒトとマチが共に育ち、新しい価値を創り出す人生のパートナーへ。

お気に入りの本と、香り高いコーヒー、そしてラジオから流れる温かな声。今日もこの場所で、八代のマチとヒトの新しい明日が動き出しています。

桜十字八代リハビリテーション病院が体現するのは、関わるすべての人を幸せにする桜十字の理念。「ヒトとマチを元気に。」それが私たちの使命です。

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