• Home
  • Knowledge Base
  • アナログウェルネス — スマホ疲れの時代に “身体と心を取り戻す” 選択

アナログウェルネス — スマホ疲れの時代に “身体と心を取り戻す” 選択

私たちの生活は、いつの間にかスマートフォン(以下スマホ)中心になりました。朝起きてすぐ、通勤中、仕事中、ふとしたすきま時間にさえ手にするスマホ。便利さの裏で、知らず知らずのうちに身体と心に負担が蓄積しているかもしれません。そんな時代に注目されるのが ”アナログウェルネス” です。
デジタル中心に偏りがちな感覚を、歩く・触れる・話すといった人間本来の行動で整え、身体を土台にウェルビーイングを育てる新しい健康習慣として広がりを見せています。

日本人のスマホ疲れの現状

スマホの長時間利用は、首や肩の凝り、眼精疲労、姿勢悪化による血流低下など身体的負担と無関係ではありません。Job総研の「2024年 スマホ依存の実態調査」によると睡眠不足や視力低下のほか、集中力低下も問題視されています。

内閣府が実施した「人々のつながりに関する基礎調査」によると、スマホの使用時間が長くなるほど孤独を感じる人の割合が高まる傾向が示されています。使用時間が1時間未満の場合は35%であるのに対し、4〜5時間では42%、8時間以上では53%と段階的に増加しています。
また、医療系大学生を対象とした研究では、スマホ依存度が高い人ほど、不安感などの精神的ストレスが強く現れることも報告されています。

アナログウェルネスとは

スマホやデジタル機器に偏りすぎた感覚を、自然・食事・会話などアナログな体験を通して、自律神経や体内バランスの乱れを整え、身体が本来持つ回復力を引き出すアプローチです。デジタルそのものが悪いのではなく、依存的な使い方を続けることで心身のバランスが崩れてしまう点に問題があり、アナログウェルネスはこのズレを調整する”現代ならではの健康戦略”として位置づけられています。自然の中を歩くことや、手作業に没頭するなどの時間は副交感神経を高めてストレスホルモンを減らし、自律神経を回復させる効果が期待できます。

アナログ習慣で育てるウェルビーイング

アナログ習慣はスマホやデジタル機器の情報に囲まれた生活からあえて距離を置き、身体のリズムや五感の働きを取り戻すためのシンプルな手段です。特別な場所に行かなくても小さな行動を日々積み重ねることで自律神経が整い、ストレスの緩和や気分の安定といった身体的・精神的なウェルビーイングの土台が育っていきます。アナログ習慣の魅力は自分のペースで調子を整えられることです。具体的な実践法は以下の通りです。

【自然の中でウォーキング】
森や公園を歩く。視覚・嗅覚・足裏の感覚を意識するだけでも自立神経の安定に効果があります。

【手を使った趣味】
編み物、塗り絵、ガーデニングなど、集中力を使いながらもリラックスができ、心理的ストレスの軽減にもつながります。

【笑い合う時間】
友人や家族と直接会い声を出して表情を使って笑うことは、心身にポジティブな刺激を与えます。

【五感を使って食べる】
スマホを置き、香りや食感、温度を意識して味わうことで消化が整い食事の満足感も高まります。

【意図的な休息】
外を眺める、深呼吸する、ぼんやり座るなど何もしない時間を作ることで脳と体の回復を促します。

アナログウェルネスがもたらす未来

アナログウェルネスは単なるデジタル断ちではなく、生活の中で身体と心の健康を持続的に育てる “未来型のセルフケア習慣” とも言えます。国が発表している「身体活動・運動ガイド」でも、日常の中で自然に身体を動かすことの重要性が明記され、企業ではオフィスでの“アクティブブレイク(短い小休憩で体を動かす仕組み)”や、歩行を促すレイアウト設計などが広がりつつあります。こうした政策や環境整備は、長時間座り続けることで生じる健康リスクを減らすだけでなく、働く人の集中力や創造性を高めることにもつながっています。いま、社会全体がデジタル化を進める中で、アナログウェルネスはむしろ“未来の健康基盤”として価値が高まっています。 便利さと心身の健やかさを両立させるために、アナログな時間を意識的に取り入れることは、これからのライフスタイルに欠かせない考え方になっていきそうです。

スマホを置いて、身体と心を取り戻すウェルビーイングな時間

便利なデジタル機器は暮らしを豊かにする一方で、使い方が偏れば気づかないうちに身体と心の負担になることがあります。だからこそアナログな体験を意識的に取り戻すことが、身体的・精神的なウェルビーイングを育てる大切な選択肢になり、そして日々の小さな行動の積み重ねが未来の自分の身体と心を守る力になります。スマホをそっと置き、自分の内側にある声に耳を澄ませる時間を少しだけ取り戻してみませんか。

参考文献

医療系大学生のスマートフォン依存と対人ストレスに関する研究(2022年)
東邦大学 日本の高校生のスマートフォン依存傾向を「アプリ別」に分析 (2025年10月17日)
厚生労働省 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(2023年11月27日)
Job総研 2024年 スマホ依存の実態調査を実施(2024年12月2日)
内閣府孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(2025年10月公表)

※掲載されている内容に関する情報は、記事の掲載日現在の情報です。
その後、予告なしに変更となる場合がございます事をあらかじめご了承ください。