このたび、桜十字八代リハビリテーション病院 副院長 小島淳医師が、2026年3月20日から22日に開催された第90回日本循環器学会学術集会において、「Circulation Journal Award 2025」Clinical Investigation部門の優秀賞を受賞いたしました。

本賞は、日本循環器学会が発行する国際学術誌『Circulation Journal』に2025年に掲載された原著論文158編の中から、特に優れた研究に対して授与されるものです。
選考は二段階で行われました。第1段階では、約50名のアソシエイト・エディターが、それぞれの専門分野において卓越した科学的品質を有する論文をノミネートします。第2段階では、ノミネートされた論文について、各8~11名のアソシエイト・エディターで構成される5つの審査パネルが審査を行い、独創性、心血管科学への貢献度、原稿の完成度、さらには将来的な発展性といった観点から総合的に評価されます。
これらの厳正な審査を経て、最終的に7編の論文が特に優れた研究として選出され、本受賞に至りました。
受賞論文
論文名
Long-Term Impact of the Kumamoto Earthquake on Out-of-Hospital Cardiac Arrest With Cardiac and Non-Cardiac Origins ― An Interrupted Time Series Analysis ―
(熊本地震が心原性および非心原性院外心停止に及ぼした長期的な影響 ― 中断時系列分析 ―)
著者
Kojima S, Michikawa T, Tsujita K, Yonemoto N, Tahara Y, Ikeda T; on behalf of the Japanese Circulation Society Resuscitation Science Study (JCS-ReSS) group.
掲載誌
Circ J 2025; 89: 1824–1832
doi:10.1253/circj.CJ-24-0277
研究概要
■背景
院外心停止の原因には、大動脈解離、大動脈瘤破裂、肺塞栓症など、非心原性に分類される疾患も含まれます。本研究では、熊本地震後に心原性および非心原性の院外心停止が増加したか、さらにその影響が震源地から離れた地域に及んだかを検討しました。
■方法および結果
2013年1月から2019年12月までに発生した院外心停止症例について、全国ウツタイン・レジストリを用いた前向き解析を行いました。熊本県を含む7県(九州地方、n=82,060)のデータを対象とし、中断時系列解析により地震前後の発生数を比較しました。
その結果、熊本県においては、心原性(比率1.22)および非心原性(比率1.27)の院外心停止の発生率が地震後に増加していました。一方で、原因が明確な非心原性症例に限定すると、この差は認められませんでした。また、熊本県以外の九州各県では、心原性・非心原性ともに発生数の有意な増加は認められませんでした。
■結論
熊本地震は、心原性および非心原性の院外心停止の発生率増加と関連していましたが、この影響は震源地からの距離とともに減弱していました。特に、非心原性院外心停止には、見過ごされがちな血管疾患に起因する症例が含まれている可能性が示唆されました。
なお、小島医師はこれまでも国内外の学術誌への掲載を通じて研究成果の発信を行っており、継続的に学術活動に取り組んでいます。2025年9月に文部科学省にて発表したプレスリリースについても、下記よりぜひご覧ください。今後も桜十字グループは、地域医療の質の向上とともに、ウェルビーイングな未来創造に向けた全国的な研究活動の推進に努めてまいります。
■ 関連リンク
・受賞論文の詳細はこちら
・2025年9月発表のプレスリリースについてはこちら
